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法人化するための手順はどんなものですか?


玉城真二郎

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  • 10 months later...

 

個人事業主が会社を設立することを「法人化(法人成り)」と言いますが、会社といっても株式会社、合資会社や合同会社など様々な種類があります。そこで、今回は個人事業主が”株式会社”を設立すると仮定した「法人化の手順」を紹介します。

 

1.会社の基本事項を決定

2.定款の作成と認証

3.資本金の払込み

4.登記書類の作成と申請

5.財産の移行手続

6.各種届出と申請(手続き)

________________________________________

 

1.会社の基本事項を決定

○商号(会社名)

○本店の所在地(会社の住所)

○発起人の決定

発起人とは、会社の設立を発起し、そのための出資をする人のことです。

会社設立後は役員が会社の責任を負うように、発起人は会社設立までの責任を負います。個人事業主自身が発起人となる、もしくは発起人の人数には制限がないため、複数人いても構いません。

○事業計画を立案

投資家や銀行からの資金調達をスムーズに行うために必要なのが事業計画書です。

事業計画書に書き込む基本項目としては、以下のようなものがあります。

 

・会社概要

・事業内容

・市場分析

・戦略と実行方法

・経営概要

・資金計画

 

○資金の準備

事業内容などによっても必要な資金は異なりますが、自身の事業に適した金額に設定する必要があります。

○実印の作成

会社の登記手続きには実印が必要になります。一般的には、以下の4種類の印鑑をまとめて準備するケースが多いです。

 

・代表者印(会社実印):登記申請書に押印する代表者の印鑑

・銀行印:銀行口座開設の際に必要となる印鑑

・社印(角印):請求書や領収書の発行など、日常の業務で使用する印鑑

・ゴム印(横書き):様々な場面(書類のサイン代わり、封筒の差出人欄)で使用する印鑑

 

2.定款の作成と認証

定款とは、会社の運営方法を含む基本的なルールを定めたものです。定款に基づいて会社の活動は行われるので、会社設立において必ず作成しなければなりません。定款は作成後、公証役場で認証してもらう必要があります。

作成から認証までの流れは以下のとおりです。

 

①定款に記載する必要事項の決定

②発起人全員の実印・印鑑証明を用意

③発起人全員の同意により定款を作成

④公証役場で定款を認証してもらう

⑤定款の謄本を取得

 

定款の作成と認証は司法書士と行政書士が代行することも可能です。

 

3.資本金の払込み

定款の認証が完了すると、認証日より後に発起人全員で資本金の払い込みを行います。

登記前では会社の口座をつくることはできないので、発起人の誰かの個人口座へ払い込みを行います。

 

4.登記書類の作成と申請

登記とは法律によって定められている事項を記載することを指し、法務局に登記をすることで会社は法人として認められます。 法人化されると会社名義での契約、法人としての銀行口座の開設が可能になります。

登記の申請は代表取締役が行うことが原則ですが、司法書士であれば手続きを代行することができます。登記申請は以下のいずれかの方法で行います。

・インターネット

・郵送

・法務局へ直接持参

法務局に会社の設立登記を申請した日が会社の設立日となり、会社登記は払込証明書作成日より2週間以内に行います。また、郵送による申請の場合は、申請書類が届いて受付をした日が会社の設立日となります。

登記が完了した日が会社の設立日になると誤解される方が多いので、もし特定の日に会社の設立日を設定したい方は注意が必要です。

 

5.財産の移行手続

法人設立が終了したら、事業内容だけでなく財産も個人から法人に移行する必要があります。一般的には、事業に関わるすべての資産や負債を設立した会社へ移すことになります。 
移行する方法は以下の3つです。

○売買契約
個人事業主から会社へ財産を売却します。売買契約書を結んで、金銭の受け渡しを行います。

○現物出資
個人事業主から会社へ金銭以外の資産を出資し、資本金を増加させる方法です。

○賃貸借契約
個人事業主から会社へ資産を貸し、賃貸借契約を結んで、賃貸料のやり取りを行います。 

それぞれの方法は手続きの複雑さや財産の種類によって税法上の取り扱いなどに違いがあるので、税理士などの専門家に相談しながら最適な方法で移行することをおすすめします。

 

6.各種届出と申請(手続き)

○登記事項証明書の取得

○印鑑証明書の取得

○税務署への届け出
税務署には以下の書類を届け出る必要があります。

・法人設立届出書 (同じものを都道府県と市町村にも提出)

・青色申請の承認申告書

・給与支払事務所等の開設届出書

・源泉徴収の納期の特例の承認に関する申請書

・棚卸資産の評価方法の届出書

・減価償却資産の償却方法の届出書

 

さらに、個人事業の廃業に伴う届け出も提出する必要があります。

・個人事業の開業・廃業等届出書

・青色申告の取りやめ届出書

・給与支払事務所等の廃止届出書

・事業廃止届出書

・所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請書

 

○社会保険関係の手続き
厚生年金と健康保険の加入、従業員がいる場合には労災保険や雇用保険の加入の手続きも必要になります。

 

会社設立はもちろん個人で行うことも可能ですが、これだけの手順を踏む時間と労力をきちんと考えた上で、専門家へ任せるか、個人で行うか選択することをおすすめします。後に税理士が必要になることを考えると、会社設立の手続きから税理士へ依頼することを検討しても良いかもしれません。

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